巡る

兵庫県の施設からも芳悠土井は、良好な発育をつづけたようで、折を見ては社長も様子を見にお邪魔したりもしました。
「ええ牛だわ、全共も行けるんちゃうか」そんな社長の言葉におじいさんは満面の笑みでした。
私たち家族の期待通り、芳悠土井は鳥取全共への出場を果たしました。(この時も社長は芳悠土井の手入れをさせて頂きました。私が審査競技の本番を迎え、応援に会場ギャラリーにでも来てくれると思いきや、「負けるなよ」と一言いったきり芳悠土井の手入れに行き、私の受賞結果も見届けることはありませんでした)

芳悠土井は優等賞5席。圧巻の姿でした。おじいさんの喜びはひとしおだったと思います。自身の育てた牛が活躍してくれる。兵庫県の種雄牛としても活躍してくれるんじゃないだろうか?と、さらに期待は膨らんだことだと思います。普段外出などしたこともないおじいさん、鳥取までさっちゃんの産んだ芳悠土井を見に行った甲斐がありました。

良牛を育てよう! とますますやる気が出るおじいさん。さっちゃんの世話に余念がありません。私たち家族の為にも田んぼの作付も!そんなおじいさんが、全共の翌年H20.6月 突然帰らぬ人となりました。


今回長崎全共において、兵庫県のブースにて展示されていた「芳悠土井」のコマーシャルポスター

つづく。